こんばんは。

以前に書いた記事 ( GBB内部についてのメモ書き ) が結構な量行ってるのと、MWS単体でまとめといたほうが見やすいよなと前々から思ってたので簡単に整理しときました。
あといい加減にトリガーぶっ叩いてトリガーボックス外す方法やって逆に不調出しちゃう人を1人でも減らしたい。発売から10年も経つのにこれが蔓延ってるのはよくないので令和最新版MWS分解記事やろうというわけ。






東京マルイ ガスブロM4シリーズ、いわゆるMWS。
内部メカにZシステムという名前をつけてリリースしただけあって、長期使用に対する耐久性はピカイチ。
とはいえ使い続けれていれば不調も出てきます。簡単な作業で直る場合があるので取説も合わせて読みながら作業しましょう。





■操作面で気をつけること

・他社製と違う点で、ボルトを抜いた状態でアッパーを閉めるとボルトがアッパー内部に侵入して分解しにくくなるので注意。(アッパーを閉めるとバッファーディテントが押し下げられる構造で、ボルト閉鎖時でもバッファーとボルトが密着する)

・バッファーチューブを留めているキャッスルナットは使用し続けると構造上どうしても緩むので専用レンチを使用して増し締めしておくこと。いわゆる「M4・AR15用レンチ」なるものはカスタム予定がなくても買っておきましょう。

・マガジン挿しても挿さりきってないことがあるので、怪我防止のためにもちゃんと確認すること。底を叩いて入れたり、握ってる場合はマガジン後側の上がマガジンキャッチまで押し上げるイメージでつけるとちゃんとはまります。



■弾詰まり・装填不良

BB弾が機関部内に入り込んで動かなくなる場合がちょいちょいあります。
・マグウェル(下部)から見てローディングノズルとダミーロッキングラグの間に挟まる
・ハンマーの下に潜り込んでコッキングできなくなる
など。弾入れて撃ってる時になんか変だなと思ったら一旦撃つのやめてこの辺をチェックしましょう。


また、初期はロッキングラグにBB弾が噛み込んで弾砕きマシーンになってたりしましたが、昨今はオール純正でも弾づまりすることが多いみたいです。


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弾砕いてラグに噛み込んだ図
この状態でも作動に影響はなかった

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近年多発してるらしいジャム

ボルトが閉鎖ちょっと手前で止まってしまうのが定期的に話題になってる詰まり方です。
リップから押し出されたBB弾がフィーディングランプとの間に挟まり、行き場をなくしたローディングノズルがそのBB弾の上に乗っかってスタックします。
この状態になるとマガジンを外さない限りボルトが動かなくなるので結構致命的な不具合。

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上の写真からボルトを外した状態

画像から分かる通り、マガジンリップに保持されている弾よりフィーディングランプ上の弾の方がやや下に位置しています。このあたりの位置からチャンバーまでの間、斜め上にすくい上げられるまでの道筋に十分なスペースがなく弾が止まってしまうイメージですね。
パーツ構成やロット差によって、マガジンリップが下がりすぎていたりフィーディングランプとの位置関係や形状が変わっているとこんな具合になります。
数年前まではオール純正でも起きることほぼなかった記憶ですが、最近のロットは起きやすくなってるみたい。マルイの金型傷んできて各パーツの寸法変わってきたのかな。

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純正レシーバー

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DYTAC製レシーバー
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HAO製レシーバー(加工前)
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HAO製レシーバー(加工後)


自分のはHAO製HK416レシーバーで起きたのですが、トラブルのまったくないDYTAC製レシーバーに比べフィーディングランプの角度が立っているほか、最下部が上の方にあるために上記の装填不良が起きてました。丸や半月の棒ヤスリでスロープ部を深堀りすると改善します。

純正レシーバーの場合、フィーディングランプ(バレルエクステンション)がアッパーと一体になっていて削りにくいし予備部品買うのも大変なので、リップ側を加工した方が楽ですね。

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基本的に赤く印をつけた部分をすり鉢状に削るだけで装填不良についてはOKのはず。少しずつ削って足りないようなら、押し出されたBB弾が上に逃げられるような加工をすれば大丈夫です。
奥側の青い印の箇所はBB弾を保持する役割を保たせたいので、なるべくこの辺は削らないように。削ると軽く触れただけで弾が飛び出るようになります。
また黄色い部分も広げてあげると弾込めしやすくなったりしますが、その分装填時に左右にブレやすくなるのでほどほどに。ていうかやんなくてOK

リップの加工はTwitterでわかりやすく図解してる方がいらっしゃるので検索してみてください。




■ロアレシーバー分解・トリガーボックス取り出し

はじめにマグキャッチ・セレクター・トリガーピン・内部後方のプラスネジを外します。
マグキャッチは鉛筆のケツとか割り箸でボタンを押し込みながら回すのがおすすめ。ボルトキャッチとマグキャッチの相性というか形状によっては最後まで回しきれない場合も。
セレクターはハンマー起こしてフルとセミの間に合わせて左側に押し込み、あとは適当にぐりんぐりんしてれば取れる。



トリガーボックスの分解、発売当初のめっちゃ古い情報(10年前)だと「トリガーガードを外してトリガー部分をピンポンチで叩いて外す」ってよくありました。これをやってしまうとトリガー付近がボックス内部で変形し、トリガープルが悪化したり戻らなくなることがあります。
加えてトリガーのみを叩いているため、ボックス外装に衝撃が伝わりにくいので外しやすいわけでもないです。なにより傷つきやすいし現状ではおすすめできません。しかもトリガーピンを抜いた状態だとトリガーとボックスは左側面側でしか繋がっていない片持ち状態なので本当に良いやり方じゃないです。マジでやめた方がいい。


個人的に楽なのはこれ


100均でプラハンマーを買ってきて動画の位置のところを叩くだけ。
すごい楽なんですが、コメ見てる限り個体差によってゆるゆるだったりガチガチだったりでこの方法で外せないこともあるみたいです。(この動画で使ったロアは比較的初期の方のMTRで一度も分解してない)
MWSも2015年の発売から年数が経ってますしね。個体差若干変わってきてる可能性あると思う。


傷つけずしっかり外す場合は
①マグキャッチとトリガーピンと内部ネジのほか、バッファーチューブを外す
②ハンマーを起こし(押し込む)、ノッカーを引っ込める
③長いマイナスドライバなどでをマグウェルから差し込み、ノッカーの穴の上部分をピンポンチの要領で上げていく
または、ロアフレームを銃口側から見て、マガジンの先端部分にあたる箇所からノッカー穴に差し込んでてこの要領で押し上げる
④前部がせり上がり傾斜して止まるので、バッファーチューブが取り付けられていた部分からドライバを入れてボックスに引っ掛け、てこの要領で後部を押し上げる

③~④を繰り返していればいずれ外れます。ある程度浮き上がってきたらプラハンマーで叩くやり方も使えるはず。動画撮ってないんだ。ごめん。


追記:純正パーツ一式が余ったので動画撮りました。後ろからマイナスを入れる時、バッファチューブのネジ山が潰れやすいので当て物して養生した方がいいです。


トリガーボックス内部は後述




■ボルト組み立て

ボルトキャリアキーやノズルガイドにあたる部分
スプリングを入れるのが面倒ですが、樹脂なので曲げて装着できます。左が銃口側。


ちなみにこのパーツはブローバック時にノズルが延長しきった時に受け止める役割を担うんですが、高圧ガスで加速したノズルが破損しないように保護する役割も兼ねています。ノズルとボルトキャリア握って引っ張ると何言ってるかわかるかと。
なんで閉鎖時のクッションではないです。たぶん。
閉鎖のクッションはHOPアジャスターについてる樹脂の突起かなと勝手に思ってるんですが特にバネとかもないのでよくわかんないですね。
ノズル先端についてる動くダミーロッキングラグはすごく柔らかいスプリングだし衝撃吸収目的というよりは外観再現のために感じますし。
でも外観再現目的なら後退時は実物より短いしノズル先端見えちゃうしなんのために別パーツにしてあるのかこれもよくわからない(早口)


また、動画右側の後部側、このパーツを止めるためのネジは外しても作動に影響しません。
最初期のMWSでは純正でのボルトストロークの調整が甘く、このネジとレシーバーが接触して破損することもありました。当初は後ろのネジ外したほうがいいよとおすすめしていましたが最近は全くそんな話聞かないので大丈夫かと思います。

※メモ書きの方で書いた内容もここにあたります。(以下転記)
他にも、AR15の場合はバッファとバッファチューブの組み合わせによっては、ボルトキャリアキー(ボルトキャリア上部)がロアレシーバーのバッファチューブ取り付け部上部とぶつかり、レシーバーにダメージが行く場合がある。(初期のMWS)アッパーレシーバーを外した上で、ロアレシーバーとボルトキャリア単体で押し込み、バッファとバッファチューブがしっかり底付きしているかを確認する必要がある。





■ボックス分解・トリガー調整

開く前にセレクタープランジャーとボルトキャッチの衝撃吸収メカが右側に見えますが、これらはほぼ100%吹き飛ばないし内部パーツの分解に影響がないのでそのままで何もしなくてOK。右側のボルトストッププレートと左側のボルトキャッチとスプリング、樹脂のスペーサーを取り外してからネジ3本を緩めます。

電動メカボみたいに開けた瞬間スプリング拭き飛ぶってことはあんまりないですが、ハンマー後ろ側のフルオートシア・セミオートシアについているスプリング(MGG2-52)は割と飛んでいきやすいのでここだけ気をつけておく必要があります。(シアにスプリング止め突起があるけどその箇所にバリのある個体だと飛びやすい)
ボックス開くときは隙間開けたら細いものを差し込んでスプリングを抑えるとか袋の中で開けるとかしておくと安心。



トリガーが戻らない場合は、一度完全分解してヤスリがけやバリ取りします。
原因はトリガースプリングなどがヘタる、削れた鉄粉とグリスが混ざって抵抗になっている、など汚れが原因のことが多く、ディスコネクターとハンマーの連結を解除するための力が足りてない印象。
分解前に隙間からシリコンオイルぶっかけ、ダメなら分解してトリガー周りの抵抗を少なくしたり強いスプリングに変えればOK。
重要なのはトリガー(MGG2-44)・トリガーB(MGG2-45)・トリガーバー(MGG2-60)が当たる部分のトリガーボックス内部を丁寧に研磨すると改善しやすいです。
トリガーボックスの取り外してトリガー下部から叩いて外した場合は、トリガーとトリガーBが変形している事が多いので面取りや平面だししておくとなお良い。グリスアップも忘れずに。

セミオートがフルオートになる場合は、ハンマーコッキング時にディスコネクターがハンマーと接触しなくなってます。
ディスコネクターのすべての部分をバリ取り・紙ヤスリで抵抗抜き・ディスコネクタースプリングが触れる部分やトリガー内側の面取りなどで改善するかも。
逆にフルがセミになる時はどこか割れてるかパーツ組み込みミス。ほぼないです。

ハンマー・ノッカー周りは特に何もしなくてもバネが飛んでったりしにくいので分解中も触らなくてOK。通常分解の状態でスプレーぶっかければいいので特に必要なければ注油清掃もしなくていいと思います。




MWSのトリガー不調、結構起こりますよね。実銃やリアル系メカのガスブロは部品同士の余裕があるんであんまりないですが。
MWSはみっちり詰まってる上、面で接するパーツが多かったり、トリガーハンマー間の部品点数が多かったり、トリガー軸穴が組み立てやすさ重視のスリーブ状になってて傾き方向の遊びが大きかったり。トリガー周りのあらゆる要素で抵抗が大きくなりやすい印象です。じっくり触るとバリも結構ありますしね。

その分、ほかメーカーと比べて金属パーツが全く磨耗していかない耐久ガチガチの性能だったり、シアとハンマーの接触部を加工すれば純正の2段引きをなくしてスムーズなトリガープルにしたり、ウォールを作って引き切りの位置を変更したりできる、奥の深いメカではあります。
2ステっぽい感触にもできるのでいろいろやってみてください。これはそのうち記事書きたいな。


※追記
トリガー戻らないなどの修理だけを詳しくまとめた記事書きました(→マルイM4 MWS トリガー修理・調整メモ)





■トリガーボックス組み立て

完全分解から組み立てる場合は
ハンマースプリングとハンマー(ちょっとした知恵の輪)
→ノッカースプリング→ノッカー(キックバネの向き注意)
→トリガー一式(トリガーシャフトリングMGG2-40入れ忘れ注意)
→セミオートシア→フルオートシア(スプリング飛ばし注意・軽く接着推奨)
の順番で組み付けると楽。
締まらない場合はハンマースプリングが浮いてることがあるので、ハンマーを何度か操作してやったりして密着させる。

トリガーだけ交換する場合は、ハンマーをセミオートシアにかけてから脱着すると楽。
この状態です。
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レシーバーに戻すときはボルトストッププレートやボルトキャッチ、黒い樹脂のスペーサーとか一緒にいれるものを忘れずに。あと内部後端のプラスネジも。






■セレクター組み込み前の作業

御存知の通り、セレクターが外れないとトリガーボックスが取り出せません。
セレクターのメーカーによっては取り付けたが最後、分解できなくなる場合もあるので必ずこの作業を行ってから取り付けて下さい。

下図の赤い線で示した箇所をスロープ状に削ります。
このセレクターは無加工で取り外しできましたが、直角に立っていたり深く掘られているセレクターでは完璧に外せなくなるのでこの作業が必要です。なによりやっといたほうがバラしやすい。
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加工前のセレクター

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加工後のセレクター

純正はフルオートとセミオートの間の部分がスロープになっているおかげで外せます。それを参考に穴と穴の間の高くなっている部分を削っておけば大丈夫。

次、他の形状の場合。

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こういった堀の深い形状のセレクターも外せなくなります。
こちらは棒ヤスリでは削りにくいのでリューターで。プロクソンとかドレメルでなくても2000〜3000円で買えるタミヤ製あたりのプラモ向け電動リューターでも十分加工できます。同社ビット5本セットもダイヤモンドヤスリのためスチールの軸が相手でもOK。

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矢印部分を加工 幅広に削るとより安心

自分が外せなくなったときは、マルイ純正プランジャーなら外せたのにセレクターに付属してきたプランジャーに入れ替えると外れなくなった、といったことがありました。
その時は壊す勢いでガンガン叩いた結果プランジャーが折れて取り出しできましたが、ここの一箇所削るだけでパーツの相性チェックの手間や嫌な冷や汗かかなくて済むので先に処理しておきましょう。









■バレルナットとバッファチューブのネジ規格

バレルナットはミリピッチで、いわゆるSTD電動や次世代用が使用可。
実ピッチ(インチピッチ)のハンドガードを付ける場合は1-1/4"-18のダイスで切り直し必要。


バッファチューブはインチピッチベースの独自規格?でチューブ側のネジ山(外径)が低くなってるとかだったはず。
(ネジ穴内径が合えばMWS純正チューブを他社の実ピッチ向けストックアダプターやレシーバーに装着できることもあれば、すっぽ抜けることもある)
純正レシーバーに実チューブはつかないので、1-3/16"-16のタップで切り直し必要。

このチューブ側MWS独自規格をトイピッチと呼ぶにはなんか疑問が浮かぶので誰か良い呼び方考えてほしい。



■マガジン

なんだかんだ純正の30連マガジンが一番作動性いい。20連は微妙。
社外PMAGgen3やLancerなんかは作動面だけ見ると相性良くないこと多いです。
20連と30連のPMAGgen1とかEMAGとか出ないかな 無理か

ガンモの空撃ちストッパー、社外ボルトキャッチ入れると干渉したりする。
切った爪楊枝入れても空撃ち可。ただしたまに外れてトリガーボックス内とかに入り込んだりするので自己責任で。


■ほか
ノッカーを押し込むとコッキングできます。チャーハン今ないけど作動チェックしたいとか変な時に。

HOP調整は工具を使わず・分解せずともマグウェルからHOPアジャスターのダイヤルを操作可能(要:指の長さ8cmほど)。ボルトで指を挟まないよう確実にホールドオープンさせて操作中は絶対に衝撃を加えないように気をつけて下さい。




こんなもんかな。
パーツ紛失と破損と怪我のないよう気を付けて作業して下さい。ご安全に。